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2007/09/18

代理はいらない、端倪をくれ

「安倍首相、判断力に支障なし」官房長官 (iza)
「与謝野馨官房長官は18日の記者会見で、入院中の安倍晋三首相の容体について「判断力に支障が生ずることはまったくない。首相に判断をあおぐべき案件をいつでも決裁する態勢は整えている」との主治医の所見を発表した。これを受け、引き続き首相臨時代理を置かない方針も明らかにした。」

内閣法の第九条をごらんください。

「9条

内閣総理大臣に事故のあるとき、又は内閣総理大臣が欠けたときは、その予め指定する国務大臣が、臨時に、内閣総理大臣の職務を行う。」 

阿部総理は、国会議員の中から国会の議決で指名され、天皇によって任命されています。

総理とは、内閣という合議体の首長です。

もともと戦前の憲法では、総理といえども単に他の大臣と対等な地位でしかありませんでした。

しかしそのような位置づけでは閣内で意見がまとまらない場合、内閣の統一見解というものを総理がリードして形成することができず、衆院が解散するか内閣が総辞職するしかなくなりました。

そこで現代の憲法は、総理を内閣のリーダーと位置づけしています。

そして総理の内閣指導権を裏づけるために、他の大臣のをクビにする権利や、内閣の統一議案を国会へ提出し、一般国務や外交関係を国会に報告し、行政各部を指揮監督する権限が、総理に与えられています。

総理の権限が戦後憲法で強化されたのは、内閣がリーダーの存在下で統一意思を形成し、その責任を連帯でとらせようという設計です。

それはコックピット内の操縦士間に機長という存在を置くことで、コックピットの意思統一を実現し、そのことで乗客達へ安全快適な飛行を約束する効果を狙っている構造にも似ています。(私見)

そしてあたかもジェット機の乗客達へ乗員が連帯で責任を負うような緊張関係を国会と内閣の間に持ち込んで、飛行機の行方を操縦士たちの勝手にはさせないようにしているのが、わたしたちが議院内閣制と呼ぶシステムです。

わたしたちの国の現在の機長、安倍晋三現総理大臣は、深刻な体調不良のためその職を辞すると表明しました。

しかしもし、内閣法九条を発動させ内閣総理大臣臨時代理がコックピットの機長となったとしても、副総理は他の大臣をクビに出来る任免権などを行使できないとするのが先例です。

そのあまりに強力な権限は極めて個人的な属性に託されたはずのものであり、単に代理で執行する人には託されていないと考えられているからです。

そして安倍総理ほど、大臣の任免権をたびたびちらつかさざるを得なかった人もいなかったでしょう。

数々の立法を実現し、満身創痍の安倍総理は病の床に倒れました。

立法された法の内容は別にして、現実に行われた仕事の手数を見、病に倒れるほどの仕事への姿勢を見れば、個人的には世間で現総理に浴びせられているほどの失望の言は浮かんでこないのです。

 

 

法理メール?  * 発行人によるメールマガジンです。

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2007/09/02

公平のためのルールで従順な選手を殺そう

お粗末運営、競歩で誘導ミス/世界陸上(ニッカンスポーツ)

「世界に醜態をさらすミスだ。周回を数える係員と、道路を挟み反対側にいる記録係の連絡ミスにより、山崎の周回は47・5キロ地点で1周多く、カウントされていた。「(山崎は)終わりや」という指示に係員は、そのまま競技場へ誘導。直後、救護担当役員が間違いを伝え呼び戻すべく山崎を追いかけたが、その権限がなく、ためらううちに山崎は行ってしまったという。」

陸上競技ルールブック2007から、第230条の12項をごらんください。

「第230条 競歩競技

「⑫ 審判長が審判員,監察員またはそれ以外の報告により,競技者がコースをはずれ距離を短くしたと判定した場合,競技者は失格となる。」 

競歩とは、本規則230条1項によれば、「いずれかの足が、常に地面から離れない(ロス・オブ・コンタクトにならない)ようにして歩く」状態を保って速度を競い合う競技ということになります。

さらに「前脚は、接地の瞬間から垂直の位置になるまで、まっすぐに伸びていなければならない(ベント・ニーにならない)」とまで厳格にそのフォームを定めています。

このため単純に速度を競い合う他のランニング競技に比べ、競歩が道路上で行われる場合、「主任を含め6人から9人の競歩審判員」が配置されてそのフォームを審査しています。(2項4号)

そして競歩の定義に反するおそれがあるときは、競技者は黄色のパドルで注意を受け(3項)、もし「ロス・オブ・コンタクト」あるいは「ベント・ニー」があれば審判員は赤カードを競歩審判員主任に出さなければなりません。(5項)

もし競技者が3人以上の審判員から赤カードを出されたら失格となります。(6項1号)

さらに競歩審判員主任が、歩型違反を認定すれば、彼は競技者を単独で失格にする権限を持っています。(3項1号)

これほどまでにフォームに厳しい競技である競歩であれば、審判員を勤める方々の質の高さこそが、競技当日に選手達がそれまで賭けてきた選手人生を裏打ちしてくれるのだといえるでしょう。

あの大舞台で周回を数え間違えた審判員の方に、気のゆるみなど勿論なかったはずです。

もし欠けていたものがあったとすれば、どれだけ一生懸命おつとめだったとしても、やはり冷静に”大舞台での審判としての能力”だといわざるをえません。

老人たちが徹底的に責任を取る姿勢を見せなければ、今後誤誘導があった場合にはどう対処すればよいのかというリスクを、競技者達の頭の片隅から離すことはできません。

 

 

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