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六法に書いてあること


  • ■ 憲法に書いてあること

    憲法に書いてあること、それはとりもなおさず個人の尊厳による権力の再定義です。わたしたちはワラワラと地球上に60億匹わいていますが、命の火は皆等価なのに、その扱いには実際上相当の上下があります。そのためこれまでは世界中で多くの人達が権力を握った人にいいように扱われて死んでいきました。日本国憲法では二度とこのような形に国がならないよう、一人一人に権力を分属させています。憲法が歴史の書であるというのはこういう意味です。

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    ■ 民法に書いてあること

    乱暴に表現すると、民法には国に管理されることなくどうやって財産を増やしていくかというルールが書いてあります。そこにはものの持ち方、貸しの作り方、ものの売り方、お金や物の貸し方、他人の雇い方、けんかの辞め方、奪われたものの取り返し方とルールを破った人の責任のとらせ方などがが書いてあります。その肝は所有の絶対性と抽象性で、日本国型資本主義のエンジン部分の取り説が書かれています。

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    ■ 刑法に書いてあること

    刑法では人が人を断罪することを誰もが納得できるよう、まず書いていない罪では罰せらず(罪刑法定主義)、次に法を守っていたなら罰せられず(秩序維持)、していたことの意味がわからない人は責めない(責任主義)という三つの理論的ふるいが用意されました。そして人の行為はこれらのふるいにひとつずつかけて、最後まで落ちてきた行為しか罰しないという取り決めにしています。これらのふるいのことを順に「構成要件」「違法性」「責任」と呼んでいます。

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    ■ 商法に書いてあること

    商法に書いてあるのはプロフェッショナルのための利益追求型に拡張された特別製の私的自治です。会社の権利義務は、個人のそれとはあきらかに異なる部分が必要で、たとえば会社には迅速なお金の運営が不可欠で相手方の判断を悠長にまっていては時間利益を逸失しつぶれてしまいます。このため企業の持つ営利性・円滑迅速性・継続性の三つの特色が現れるときだけ、商法という特別ルールが持ち出されることになっています。プレーヤーがリスク納得の上で特に利潤を追求するときの特別ルール、これが商法です。

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    ■ 民事訴訟法に書いてあること

    民事訴訟法はお隣さんとのケンカを国に解決・調整してもらうとき、自分の言い分を十分、かつ無駄なく尽くさせるように設計してある法律です。ただしお互いいつまでもだらだらと主張を繰り返していたのでは時間がいくらあっても足りませんので、なるべく誰からも文句が出ない範囲で早く結論がでるような仕組みに作ってあります。つまりそのプロポーションは適正・公平の要求と迅速・経済の要求が緊張関係を保つことで作られています。

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    ■ 刑事訴訟法に書いてあること

    刑事訴訟法に書いてあるのは真実の発見と人権保障のバランスです。犯人と思われる人を逮捕し、収集証拠で犯罪事実が立証できるかどうかを調べ、立証ができたなら有罪の判決を言い渡し、立証ができなければ無罪の判決を言い渡すという手続きが書いてあります。刑事訴訟法には、憲法の人権保障の種から幹が伸びています。そしてそういう基本原理が刑事訴訟法という強力な国家作用を、誰も不当に傷つけることのないよう安全に運営することを念押ししているのです。

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